実践キャリアネット

【会員コラム-No. 11】(キャリアネット通信 2023-No. 6)

今月は会員からお寄せいただいたコラムをお届けいたします。

「この5月8日に日本ではコロナは感染症法上、5類に移行しましたが、この3年超、世界中の人々が未曽有のコロナ禍と戦ってきました。
今回、London在住の会社の後輩に英国コロナ事情を聴いてみました。
後輩は東京本社勤務後、国際結婚を機に本社を退職、夫の勤務地Londonに移住し、2人の子育てをしながら、東京の会社のLondon支店で現地スタッフとして勤務しています。
以下、後輩のレポートです。」(SK)


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〈コロナ禍奮闘記in London〉
皆さまは、コロナにかかりましたか?私は、現在の居住地ロンドンで、2021年8月に初めてコロナにかかりました。しかも、5歳の息子とまだ生後3ヶ月だった娘と共に、、、その当時のことを思い返すと、自分のコロナの症状よりも、息子・娘の看病とまだ生後3ヶ月の娘の心配で頭がいっぱいだったことを思い出します。

当時、コロナ中に妊婦だったため、心配や不安もありましたが、仕事はWork from home(在宅勤務)だったこともあり、外出は病院への検診だけと最小限にとどめることができ、妊婦の期間はなんとかコロナにかからず乗り切ることができました。娘を出産してからは、人々が通常の生活に戻りつつある時期で、学校も通常通り再開され、ロンドンの学校では先生も子供たちも、もちろんマスクはしていませんでした。公共の場や交通機関では、大人はマスク着用が義務付けられていましたが、学校の先生や子供たちはマスク着用すべきかどうかという議論も余りなかったような印象です。日本人の私にとっては、正直驚きと不安を感じました。

その後、我が家にもコロナが襲います。息子の体調不良から始まり、気付いた時には既に遅く、密に過ごしている母親の私と生後3ヶ月の娘も同じくしてコロナにかかってしまいました。息子と私は自力で回復しましたが、娘は39度超まで発熱してしまい、当時予約なく病院へ行くことはできず、まずは電話相談からはじまり、何度電話しても長い質問を繰り返されたあと、そのまま様子を見てくださいとしか言われず、結局、深夜に、39度超で解熱剤も効かないので診てもらいたい、と必死に訴えたところ、ようやく病院の予約をとってもらうことができました。一方、病院に到着したら、厳重に隔離でもされるのかと思いきや、一般の受付と一緒ですし、担当してくれたナースは簡易的なマスクのみと、その対応のGapに驚きました。

そうして、ようやく娘の熱も下がり、ピークを越えたわけですが、そこからが私にとっては新しい経験でした。当時、英国ではコロナの検査で陽性となると、オンラインのシステム上で登録する仕組みとなっていました。登録すると、(食料調達等の)ヘルパーは必要ありませんか? と地元のCouncilから電話がかかってきました。これはご丁寧にありがとうございますと思いましたが、旦那が一人元気でしたので、特にヘルパーは必要なくお断りしました。また熱が下がり、しばらくして、コロナ患者として登録(認識)された私の携帯に、AIから毎日体調報告をしてくださいと連絡が届くようになります。AIを相手に、熱、心拍数、酸素レベルを報告し、いくつかの質問に答え、自分のつらい症状や心配事を記載することもできました。私はあまりにも頭痛が長引いていたので、その症状は問題ないか?と質問を記載したところ、これまた後日ドクターが電話してきてくれて安堵したのを覚えています。コロナにかかる人が多く、一方、医療機関従事者が不足している中で、早々にAIを導入していることは感心しました。このAIも含め、ロンドンの体制作りの柔軟性や速さには驚かされます。

こんな初めてばかりの異国でのコロナ体験でしたが、これに限らず、生きていくためには自分の意見や意思を伝える気力が必要だと常々感じています。弱ったときには、日本に帰りたいと思うこともありますが、今では、ここで生まれた我が子がどのように育っていくのかとても楽しみですし、私も家族と一緒に楽しく過ごしていくことが一番の幸せです。

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