実践キャリアネット

【会員コラム-No. 35】(キャリアネット通信 2025-No. 7)



「カスハラ条例に思うこと」

最近、「カスハラ(カスタマーハラスメント)」という言葉をよく耳にするようになりましたね。2025年4月には、東京都で「カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行されました。ほかの地域でも、たとえば北海道や桑名市などで条例を出しています。企業に対してカスハラ対策を求める法改正も検討されています。

近所のスーパーのレジで、「ストップ!カスハラ」と書かれたステッカーを見つけたとき、「あ、こうした対策は条例に関係しているんだな」と感じました。

たいていの人がする申し出やクレームは、正当で善良なものです。でも、ほんの一部に、社会通念に照らし著しく不当な態度や要求をされるケース(暴力や土下座の要求、長時間の拘束など)があり、働いている人がとても辛くなり、病んでしまったり、働き続けられなくなってしまったりするものがカスハラとなります。企業は現場任せにせず、ちゃんと従業員を守っていく取り組みが必要です。

ただ、「カスハラ」という言葉がひとり歩きすることで、ふつうのクレームや意見までもが言いにくくなってしまうことは避けたいものです。

商品やサービスについて、気になることや困ったことを企業に伝えるのは、消費者としての大事な権利です。そして企業にとっても、そうした声は、商品やサービスをより良くするためのヒントになり、とてもありがたいことなのです。(会員Tさん)