会員の声

会員の声

10月8日、「なよたけ情報版No.17」のアンケートはがきを使って
岩手県在住の会員が貴重なお便りをくださいました。

「大津波をまぬがれて」 

木村久美子(平成13年卒、生活科学部 食生活科学科 管理栄養士専攻)
 私は、昨年より陸前高田市にある岩手県立高田病院で管理栄養士をしております。
3月11日は出張のため盛岡におりましたので、助かりました。しかし、生活拠点が 陸前高田市だったため、その日移動していた自分の車と鞄(かばん)のみを残して、すべて失いました。働いていた職場も最上階の4階まで津波に飲み込まれて、病院としての機能を失いました。そして多くの患者様、同僚も失いました。
 しかし、大学時代の友人たちが温かい支援と励ましをくれました。私が必要としているものを(何も聞かないのに)すぐに送ってきてくれたのです。直接、被災地にまで届けに来た友人もいました。私にとってはそれが心の支えとなり、大学時代の強い絆(きずな)を
感じました。
高田病院は全国からの支援を受け、被災して4日後に陸前高田市の米崎コミュニティセンターに救護所を開設し、7月25日より仮設診療所で診察を行っております。栄養管理室のスタッフは私1人だけです。1人の栄養士に何ができるのか?私がやってきたことはよかったのだろうか?と自問自答しています。ただこのように考える時間ができたこと、また「なよたけ」が手元に届き、普通の生活が送れるようになったことに幸せを感じ、ペンをとりました。

木村久美子さんは今も仮設住宅にお住まいです。被災地から離れたところにいるとつい自分の日常に 気を取られて、震災直後のような関心が薄れがちですが、復興への長い道のりはまだまだ続いています。

自分にできることは何か、今一度考えて、少しずつでも援助を続けたいと思いました。

2011年10月25日 掲載