国文科会

「梶井基次郎と“神隠し”の京都」展と座談会に参加しました。

実践桜会関西支部 情報担当相談役 並川 みき子(実践女子大学文学部国文学科S45年卒)

実践女子学園創立120周年(1899年創立)・実践女子大学文学部国文学科創設100周年(1920年創立)、丸善150周年(1869年創業)の記念展として、11月23日から12月7日まで「檸檬」の舞台となった京都 丸善京都本店での展覧会があり、11月23日の開幕式には実践女子大学の卒業生ということで急遽参加させて頂きました。
開幕式では実践女子大学代表 副学長 難波 雅紀氏から実践女子学園120周年、国文学科100年の記念行事の一つであること、
次に京都市代表 京都市長 門川 大作氏から「源氏物語」研究や、下田先生の皇室関連所蔵品など、京都とのゆかりが深く、京都市が推進する「京あるきin東京」の東京における文化発信の場として実践女子大学・実践女子大学短期大学部を選び、本年5月に事業連携・協力に関する協定を締結し、本展覧会はその最初の取り組みであること、
最後に丸善雄松堂代表取締役矢野雅也氏から丸善は丸善創業150周年を迎え、創業者の早矢仕 有的(はやし ゆうてき)が 岩村藩 藩医を勤め、下田歌子先生と同郷というご縁で、今回の催しが実現したとのお話を、感慨深く伺いました。

「梶井基次郎と“神隠し”の京都」展 開幕式

日時:令和元年11月23日(土)午後1時30分~
会場:丸善京都本店 B2催物会場
司会:株式会社丸善ジュンク堂書店 取締役 野村育弘


次第

1. 開幕
2. 主催者挨拶
・実践女子大学代表  副学長 難波 雅紀
・京都市代表     京都市長 門川 大作
・丸善代表      丸善雄松堂株式会社 代表取締役社長 矢野 正也
3. 資料紹介
実践女子大学 文学部 国文学科 教授 河野 龍也
4. 告知
5. フォトセッション(3者によるレモン設置)
6.終了
開幕式終了後、門川市長さんと名刺交換をさせていただきました。

次に座談会が催され、以下のお話を伺いました。
「梶井基次郎と“神隠し”の京都」展 座談会 令和元年11月23日(土)午後14時~15時


1.実践女子大学国文科教授 河野 龍也先生
座談会参考地図として、大正10年頃の京都市街地図(A3)の配布があり、“檸檬”の原稿に沿い、寺町通りを八百卯、丸善と地図をたどりながら解説が行われ、久しぶりに充実したアカデミックな講義を受け、京都の地にいる者ならではの実感を肌で感じ感銘を受けました。
梶井が「檸檬」を構想した下宿の澤田三五郎さんのご子孫の方がレモンの枝を持って列席され、同じ場所で今も檸檬の木を大事にお育てになり暮らしておられると伺い、歴史と文学が根付いている京都ならではの文化に得心致しました。

2.実践女子大学国文科教授 棚田 輝嘉先生
実践女子大学国文学科が今回の貴重な原稿取得に至るお話を伺い、実践女子大学国文学科の真髄ともいえる貴重なお宝が増え、嬉しく思いました。

座談会終了後1924年に執筆され、2011年に現存が確認された梶井基次郎の代表作「檸檬」の下書きを含む未完の中篇「瀬山の話」の直筆原稿と愛用した「やかん」等の展示物を興味深く拝見しました。
終了後「丸善」の早矢仕ライスと小説「檸檬」をモチーフにしたデザート檸檬ケーキを母校の発展を祈りながら皆で頂き、丸善のご厚意で実践女子大学・京都市の共催で京都において開催されたことに関西支部としてうれしいひと時を過ごしました。