国文科会

実践桜会国文科会文学散歩のご報告

R4年6月10日(金)に今年度の文学散歩として早稲田大学の「早稲田大学国際文学館」 (通称、村上春樹ライブラリー)と「会津八一記念博物館」を見学いたしました。まだまだコロナ禍の不安な日常の中、予約が取れるかと案じながらの文学散歩計画でした。幸い無事に楽しく見学する事が出来ました。HPや「なよたけ情報版」で文学散歩の案内をご覧になった方もご参加くださり、良い一日となりました。参加頂いた皆様にお礼を申し上げます。今後も楽しい企画を進めてまいります。

なお、今回初めてのご参加の東さんが「早稲田大学見学記」を書いて下さいました。是非、ご一読下さい。



早稲田大学見学記

6月10日に国文科会行事に初めて参加し、有意義な時を過ごさせていただきました。
きっかけは「那与竹」第85号でした。いつものように頁を繰っておりました手が止まりました。「會津八一記念館」の文字が目に飛び込んできたからです。しかも私の卒業した国文科会主催の、これから6月の行事。村上春樹ライブラリーって人気でなかなか入れないのでは…?ありがたいことに科会長の電話番号が記載されていたので、お願いしてみることにしました。

科会長は唐突な電話にもかかわらず快く参加者人数に加えてくださいました。特に私が會津八一記念館に行きたかったと申しますと以前、行かれた同館の階段建築及び横山大観の絵の美しさをお話してくださいましたので益々楽しみになりました。

当日は真夏の日射し。村上春樹ライブラリーは正式名称「早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)」事前予約をしていただきましたので時間に入館。

隈研吾氏の設計で、先ず入口正面の地下から2階までの吹き抜け階段本棚に圧倒されました。しかもその階段は歩行用と座って本を読める用に分かれて段差が違います。若い学生には何でもないでしょうが、目の悪い私にはちょっと怖く、齢を感じました。

ここには村上氏の日本語著作、外国語著作(海外翻訳)、日本語文献全てが収蔵されているそうで、氏が経営していたジャズバーで使っていたグランドピアノや蒐集レコードと、まさしく村上春樹氏の世界全てといっても過言ではありません。恥ずかしながら村上作品に疎いので、著作年譜の写真を撮ったり、初めて見る中国語翻訳本を手に取ったりして、にわかハルキストの気分を味わいました。

地下には学生の経営する「橙子猫/オレンジキャット」カフェがあり、ここで暫し休憩。今年度、広報部長となられた方とお話しすることができました。「那与竹」を見て参加したとお話しすると、今後の広報に一層のお力が入るとの仰せでした。今後も愛読者として応援しております! 集合写真を撮って念願の會津八一記念博物館へ。


早稲田大学キャンパスの中心に位置し、大いに風格があります。館内も早稲田建築の神髄が感じられ、科会長からの前述ギャラリー正面階段と横山大観の「明暗」には魅せられて何回も見に戻りました。
1階展示は[富岡コレクション展]みほとけと祈りのかたちで、富岡重兼コレクションの中から仏教美術を鑑賞。
2階の企画展示は折しも「早稲田建築草創期の建築家」 會津八一記念博物館を建築した今井兼次を始めとする早稲田建築家達の詳細な解説や模型展示がありました。
この記念館は最初大学の図書館として建設され、先の「明暗」の絵は読書を通して知識を得る様子を日の出に表しているとのことです。

會津八一氏という人間のスケールの大きさを感じながら、ゆっくり見学してこちらで解散。
私はここ20年ほど太極拳を愛好しています。最初についた師が早稲田大学卒で會津八一を先生と呼んで深く尊敬、お葬式にもいらした由。同記念館はかなり前から見学を薦められていました。この師が薦める美術館や文学館は素晴らしいので地方へもよく見学に行ったものですが、早稲田大学だけは近くなのに機会を逸しておりましたところ2021年3月、師の訃報が届いたのです。

愛校心が強く博識であった師が想い出され胸が一杯となり、同道させていただいた皆様へのご挨拶もそこそこに失礼しました。後日、写真までお送りいただき恐縮しております。
母校実践は卒業してからも終生学び舎ですね。
実践桜会の絆と、いろいろな企画・運営に尽力される役員の皆様に深く感謝するとともに、今後もこのHPを含めてのご活躍を祈念しております。


S57年大国卒 東真佐子